離婚問題
独身時代(結婚前)の預貯金は財産分与で特有財産として控除されるか
2024.12.03
⑴ 財産分与とは、夫婦が共同で築いた財産を離婚に伴って分与する制度のことをいいます。
夫名義や妻名義の財産でも、結婚後に購入したものは夫婦の共有財産となり、財産分与の対象になります。
財産分与の対象となるのは、現金や預貯金、不動産、自動車、保険料、年金、退職金、家財などがあります。
ただし、結婚前から保有する資産や結婚後であっても親からもらった財産などは、夫婦が共同で築いた財産とはいえず、財産分与の対象から外れる特有財産となります。
⑵ それでは独身時代(結婚前)の貯金は「常に」特有財産として除外されるでしょうか。
この点について、ある裁判例は、夫婦の同居期間がおよそ10年間に及び、その間、夫名義の預貯金は生活費に充てられて減少したり、夫の収入によって補填されたりするなどして、増減を繰り返していた。このように婚姻時の預貯金残高が婚姻後の家計と渾然一体となっていおる場合には婚姻時の預貯金残高を特有財産として控除するべきではないと判断しました。
ただ、預金によっては、定期預金の場合は渾然一体とならない場合も多いですし、普通預金でも渾然一体とならずに管理されている場合は、特有財産として控除されて考えられる場合があります。
同居期間が短期間であればあるほど、婚前と婚姻後の預貯金を分離して考えることが容易になりますし、同居期間が長期間になればなるほど、婚姻時の預貯金が基準時の預貯金と分離して考えられるか判断が困難となり、婚姻後の家計と渾然一体となっている場合には婚姻前の預貯金を特有財産として考慮しないとの判断になることも多いです。
⑶ 同居期間が短期間か長期間か、預貯金が渾然一体となっているかについてはケースバイケースではありますが、婚姻前の預貯金が財産分与の対象になるか特有財産として控除されるかお悩みの際には弁護士にご相談ください。
⑴ 財産分与とは、夫婦が共同で築いた財産を離婚に伴って分与する制度のことをいいます。
夫名義や妻名義の財産でも、結婚後に購入したものは夫婦の共有財産となり、財産分与の対象になります。
財産分与の対象となるのは、現金や預貯金、不動産、自動車、保険料、年金、退職金、家財などがあります。
ただし、結婚前から保有する資産や結婚後であっても親からもらった財産などは、夫婦が共同で築いた財産とはいえず、財産分与の対象から外れる特有財産となります。
⑵ それでは独身時代(結婚前)の貯金は「常に」特有財産として除外されるでしょうか。
この点について、ある裁判例は、夫婦の同居期間がおよそ10年間に及び、その間、夫名義の預貯金は生活費に充てられて減少したり、夫の収入によって補填されたりするなどして、増減を繰り返していた。このように婚姻時の預貯金残高が婚姻後の家計と渾然一体となっていおる場合には婚姻時の預貯金残高を特有財産として控除するべきではないと判断しました。
ただ、預金によっては、定期預金の場合は渾然一体とならない場合も多いですし、普通預金でも渾然一体とならずに管理されている場合は、特有財産として控除されて考えられる場合があります。
同居期間が短期間であればあるほど、婚前と婚姻後の預貯金を分離して考えることが容易になりますし、同居期間が長期間になればなるほど、婚姻時の預貯金が基準時の預貯金と分離して考えられるか判断が困難となり、婚姻後の家計と渾然一体となっている場合には婚姻前の預貯金を特有財産として考慮しないとの判断になることも多いです。
⑶ 同居期間が短期間か長期間か、預貯金が渾然一体となっているかについてはケースバイケースではありますが、婚姻前の預貯金が財産分与の対象になるか特有財産として控除されるかお悩みの際には弁護士にご相談ください。