コラム & お知らせ
弁護士 守谷自由がみなさんに
分かりやすく法律解説や
具体的な相談事例、
そして解決事例などをお伝えしています。
交通事故について知っておきたい7つのこと
1 交通事故は1日1300件以上、1時間に50件以上の割合で起きている
平成28年には1年間で49万9201万件の交通事故が発生しています。これは、単純に計算すると毎日1300件以上、1時間に50件以上の交通事故が発生している計算になります。
また、車やバイクだけでなく自転車事故による事故(自転車対人)が平成28年は9万836件あります。
自転車事故で9500万円という高額の賠償を命じた判決もあり、自転車といえども、保険をつける方が増えてきています。
2 交通事故の主な原因・どのような事故が多いのか
⑴交通事故の主な原因は
交通事故の主な原因としては、最も多いのは前方不注意、わき見運転などの安全運転義務違反になり、全法令違反中で約75%にもなります(全法令違反47万4776件のうち35万8872件が安全運転義務違反です)。
⑵交通事故の類型としてはどのような事故が多いのか
交通事故の類型内訳としては、最も多いのは追突事故になり、全事故類型の中で約36%にもなります(全事故類型49万9201のうち追突事故18万4567件です)。自分がいくら注意していても交通事故に遭う可能性は大いにあるといえるでしょう。
交通事故は、車に乗られる方も乗られない方もいつ自分に関係するかわからない身近な問題といえます。
3 車に乗る前にしておいたほうがよいこと
⑴保険に加入する
ごくごくたまにですが、任意保険に加入されない方がいますが、上でもみたようにいつ何時、あなたも(私も)加害者になるかわかりません。自賠責保険は支払われる金額は極めて少なく、賠償額全額をカバーできないことも多いです。必ず保険会社の任意保険に加入しましょう。最近は大手の保険会社だけでなく、ネットで手続きを行えば、大手と比較して安く利用できる保険会社も増えています。
また、自動車保険に加入するときには、弁護士費用特約をつけることをお勧めします。弁護士費用特約を付けていると、被害者になった場合、本人に代わって弁護士が代理して保険会社と交渉・裁判をしてくれます。また利用によって、保険の等級が下がることもありませんので、付けておいて助かったという方のお話をよくききます。
⑵ドライブレコーダーをつける
事故にあったときに、どちらに過失があるか争われる例は多くあります。そのようなときに、客観的・機械的な資料があると、どちらに過失があるかはっきりします。
4 交通事故に遭った時にすべきこと
⑴警察への届出
事故の大小にかかわらず、また、「相手方が損害は賠償するから警察に連絡しないでくれ」といっても必ずしましょう。相手方は、無免許かもしれませんし、飲酒しているかもしれません。警察へ事故の届け出をしないと、後々にトラブルになって治療費が支払われないことがあります。
⑵現場の保存
警察がやってくれているから自分はしなくても・・・という方がいらっしゃるかもしれませんが、刑事事件にならない限り、警察が収集した証拠はみせてくれませんので、後々現場の状況が争点になった場合に困ることになりかねません。
また、警察の事故調査が必ずしも正確とは限らず、後に問題となった場合に、客観的な証拠(たとえばスマートフォンのカメラで撮影するなどした写真)がないと、困ることにもなりかねません。何を撮ればよいかですが、①現場周辺、②自車、③相手車を撮影しておけばよいと思います。ブレーキ痕や特異な道路状況(陥没など)がある場合はそれも撮影しましょう。
⑶すぐに病院へ!
事故に遭った場合には、治療のためにもすぐに整形外科の医師に受診しましょう。また、事故とケガとの因果関係が問題になったときに、事故直後の医師の診断が重要になることからも「我慢できるから」といって我慢せずにすぐに受診するようにしましょう。また、事故後になかなか痛みなどの症状が改善しない場合には、早めにMRIの撮影をしておきましょう。医師の中には治療で必要ないといってMRIの撮影をする必要がないという方もいらっしゃるかもしれませんが、後遺症などの認定のためにも事故直後にMRIの撮影を行っていることは重要です。
5 交通事故に遭った際の治療費は誰が支払って、どこまで治療費として見られるのか
⑴治療費は誰が支払うのか
原則として被害者本人が病院に支払うのが原則です。その後、加害者に請求するということになります。治療費全額支払うのが大変な場合には健康保険を使用することもできます。
ただ、加害者が人身傷害保険に加入している場合には、加害者の保険会社に病院が直接請求する形で支払ってもらうことになります。
被害者としては病院に対して、自分は被害者であること、支払については加害者の保険会社に直接請求してほしいことをまず相談してみましょう。
⑵どこまで治療費としてみられるか
被害者は加害者に対して、交通事故によって負ってしまった治療費を全額請求できます。しかし、一般的な診療費や治療費の基準と比べて著しく高くて、通常ならば不要な診療や治療を受けている場合は請求が認められないことがあります。
6 3つの損害賠償の基準
一般に、交通事故において支払われるには三つの基準があります。
まず、①自賠責保険における支払です。次に②任意保険会社の独自の基準です。最後に③裁判の基準です。保険会社から被害者に提示されるのは、大体①か②です。
任意保険会社の基準とはその名の通りに任意保険会社が独自に作成している基準です。保険会社ごとに基準は異なっており、基準となる金額は公表されておりません。
7 慰謝料増額のためには、弁護士に依頼が必要!
保険会社は、基準として高い額になる③裁判になった場合の基準額は、本人だけで交渉している場合は提示してくれず、弁護士が代理人になってはじめて提示してくれます。
弁護士が代理人となり交渉決裂となった場合は、裁判をしますので、保険会社としては、弁護士が代理人についた時点で裁判の基準にまであげてくれます。交渉を有利に進めるためにも、提示額に疑問がある場合は、弁護士にご相談ください。